缶ビールは丈夫。注ぎやすいし旨い

2017-03-02

おやびん

出典: http://bungalowmag.jp/21211

最近、缶ビール飲んでますか??


普段よく飲まれる方もあまり飲む機会がない方も、こんな缶を見たことがあると思います。


そんなビール缶ですが、上の写真や日常で見慣れたものを思い出してもらっても分かるとおり、現在販売されている缶はどのメーカーも似通った形をしているのです。



「…うん。」


見方によってはただの缶で終了です。

しかし、ここでは形に関して更に掘り下げ、「なんでビール缶ってこんな形してるの?」といった疑問をもち、その形に込められた意味をご紹介していきます。

気になる箇所を挙げろと言われたらキリがないような感じもしますが、ここでは主に3つの形の意味について考えていきましょう。


・なぜ円柱形の上下にすぼみがあるのか?

・なぜ底の面が内側に凹んでいるのか?

・どうやって飲み口の形ができたのか?


①なぜ円柱形の上下にすぼみがあるのか?

現在のビール缶は薄いアルミ製で、形状は円筒形の缶の上下が少しすぼんでいます。

しかし、今から約60年ほど前(昭和33年)の日本で初めて販売されたビール缶は厚いスチール製でかつ、すぼみのないシンプルな円筒形でした。

出典: http://www.tabizuru.jp/iframe.php?iframe=5%22

どうして素材や形は現在のものに移り変わったのでしょうか?


それには強度やコスト削減、そして環境への配慮など様々な要因との関係がありました。


毎年膨大な量の缶を製造するメーカーとしては1缶あたりのコストを下げたいので、使用する金属やその量をなるべく減らそうとし、また、リサイクルに適した材料を使いたいという考えがあり結果的に薄くて軽いアルミ製のビール缶へとシフトチェンジしました。

そこから円筒形の缶の上と下をすぼめることによって従来の製品に劣らない強度や省スペース化、更なる軽量化を実現したようです。

②なぜ底の面が内側に凹んでいるのか?

ビール缶を裏返して底面を見てみると、へこんでいることが分かります。

これは設計を除いた見た目だけのデザインではありません。

内側にへこんでいるのは、重力や炭酸の圧を受ける底面の強度を上げ、変形を生じさせにくくしたいという理由があるからです。


薄いアルミ製の缶だからこそ、平たい底にしてしまうと破裂する恐れがあるということですね。

③どうやって飲み口の形ができたのか?

飲み口にもいくつか工夫が隠れています。

そもそも缶ビールとは工場で製造され、トラックで運ばれ、スーパーに並び、家庭に届いて…といった段階を踏んで消費されるものです。

この過程において缶が何かと接触したり、地面に落ちたりして衝撃が加わることも想定されます。


そこで、そんな衝撃にも耐えることのできる飲み口の切れ込み部分を作る必要があります。

また、ビールが酸化しないようなるべく小さい飲み口サイズにしなければいけず、双方のバランスが求められていることもわかります。


しかも、それだけではありません。


感性工学や人間工学の考え方を用いて、人間が感覚的に持っている「飲みやすさ」「注ぎやすさ」に関して飲む人が感覚的に持つ感性イメージを流出感・流入感・フィット感・などの十数項目に分類し評価してサイズを設計するというアプローチもあります。


更に、飲んだ時に一番ウマいと感じるときの飲み口サイズや形などのデータも取っています。


以上の分析を総合的に評価することにより、 最終的に「丈夫で注ぎやすい。飲みやすいし、なんだか飲んだらウマいぞ!!」といった缶ビールが完成するわけです。



まとめ

今回はビール缶のみのご紹介でしたが、「形の意味」というテーマで調査していくとどんな製品であってもあてはまるのではないかと思います。

なんでこの形をしているのか?と疑問を持ってみることで、製作側の視点から製品を見られますし、新たな発見があるかもしれません。


参考文献

1.ビール缶が知らぬ間にエコ仕様に

http://ascii.jp/elem/000/000/153/153661/

2.連載 その39 「なぜ」と考える普段の力

http://www.arp-nt.co.jp/rensai/index-sono39.html

3.感性工学の考え方を導入し、新しい飲み口の「うまくち缶」を開発

http://www.asahigroup-holdings.com/research/group/report/report01.html

おやびん

競泳好きなカエル。経営工学専攻

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