磁石はこんなものもくっつける

2013-07-29

シータ

磁石がくっつけるものといえば? 鉄、磁石はすぐに思い浮かぶでしょう。では、他のものはどうでしょう?実は磁石は身の回りのいろんなものをくっつけたり、逆に反発したりしているのです。今日は、そうしたものを見てみましょう。

 

世の中、なんだかんだお金は大事です。何を買う時にも必要なお金ですが、実はこれも磁石にくっつくのです。しかもコインではありません、お札が磁石にくっつくのです。

 

お札の印刷には特殊なインクが使われていて、それが磁石にくっつく性質を持っているのです。この性質はかなり弱いので、普通にしていてもなかなか気づきませんが、強力な磁石を使ってあげると、動画のように磁石に引き付けられるのです。

 

物を買うときに必要なものがお札でしたが、僕たちが生きていくのに必要なものは「酸素」です。酸素がなければ僕たちはほんの数分で死んでしまいます。なんと、この酸素も磁石にくっつくのです!「そんなこと言われても見えないよ」と思うでしょう。確かに気体の酸素は透明なので、磁石にくっついたのかどうかは全く分かりません。でも、酸素はすごく温度を下げると実は液体になるのです。ものすごく冷やして液体になった酸素に磁石を近づけると、写真のように液体の酸素が磁石にくっつくのです。

 

 

生き物の体の大部分を占めているものが「水」です。人間の体の60~70%は水で出来ています。なんと、水もまた磁石に・・・くっつくのではありません、反発するのです!水槽に水を入れて、その真ん中に強力な磁石を近づけてあげます。すると写真のように、磁石を近づけた真ん中の部分だけが凹んでしまうのです。これは、磁石と水が反発しあって、水が磁石のそばから逃げていったからです。

この写真を見て、何かに似ていると思いませんか?そう、聖書に出てくる、モーセが杖を振り上げると海の水が真っ二つに分かれてそこに道が出来た、という話です。なので、この現象は「モーセ効果」と呼ばれています。

 

さて、先程、水は生き物の体の大部分を占めていると書きましたね。ということは、僕たちの体に強力な磁石を下から近づけると・・・まさかと思うでしょう、浮き上がるんです。さすがに人間だと危ないので実験できませんが、同じ方法でカエルを空中に浮かせる事ならできます。

 

 

ちなみに、このデモ実験をしたガイム(Geim)さんとベリー(Berry)さんは、2000年にこの成果でイグノーベル賞をもらいました。イグノーベル賞は名前から想像できるようにノーベル賞のパロディで、「人々を笑わせ、そして考えさせられる研究」に送られる賞です。

ちなみに当然ですが、この人たちはカエルを浮かべて遊んでいるだけではありません。このうちのガイムさんの方は、2010年に本家のノーベル賞をもらっています。ノーベル賞をとるほどの研究者でも、常に遊び心は忘れていない、ということですね。

 

画像出典:https://goo.gl/hsAqOu

シータ 東京大学大学院総合文化研究科 博士課程3年

文化の研究はしてません。やってることは物理です!

@Perfect_Insider

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