クマのうんこの科学(写真もあるよ)

2017-03-12

へべれけまかく

我らうんこ捜索隊

“うんこ”と聞いて、みなさんはどうおもいますか。

臭い、汚い、やばい(?)、そんな風に思うんじゃないでしょうか。
ですが、このうんこ。実は無限の可能性を持っているのです。

私は学部時代、ツキノワグマ(以下クマ)の調査をするサークルに所属していました。
クマの調査活動では、主に痕跡調査などの間接的な調査をしていました。

もちろん直接クマを観察できるに越したことはないですが、至難の業だし、出会いたくはないです。

クマの調査

では、実際にどのような調査をしていたかというと、山中に入り、クマのうんこを探していました。
今思えば、不思議だなと感じますが、私の所属していたサークルは、クマのうんこ(以下クマ糞)を探すことに大学時代を全力で賭けていた人たちが集まっていたのです。

感動の初クマ糞発見

調査では5人前後でパーティを組み、山の中の調査ルートをしらみつぶしに歩くことをしていました。クマ糞が全く見つからない日、一方で10個も20個も見つかる日などまちまちです。

今でも初めてクマ糞を見つけた日のことは忘れません。
調査活動に参加した3、4回目くらいだったでしょうか。
尾根を歩いていたところ足元に大きな濃緑色の物体が!まさか動物の糞でここまで興奮することになるとは思ってもいませんでした(笑)
この日初めてクマ糞を見つけただけでなく、同時に、「ああ、本当にここにはクマがいるんだ。」と感じました。

ツキノワグマの食べているもの

後日、拾った糞から中身を取り出してみました。植物の繊維質やいくつか種子などが出てきました。

クマの研究をしている先輩に教えてもらいましたが、クマは雑食性でドングリをよく食べ、植物もそんなに消化はできないのです。そして、ドングリの豊凶によって食べるものや行動に変化が生じるのです。

大学入りたての私の中のクマのイメージは、鮭を食べている木彫りのクマくらいです。肉ばかり食べていると思っていましたが、どうやらそういうわけではなかったのです。

その後もいくつかクマ糞を拾いましたが、面白い具合に食べているものがわかります。

カキを食べたと思われる糞はとにかくオレンジ色、そしてとてもフルーティー。ウワミズザクラというサクラの仲間を食べた糞だと種子がたくさん含まれています。

クマのうんこ

ちなみにこのクマ糞、遺伝子情報やストレスの解析なんかもできます。

クマ糞一つとっても様々な情報を持っており、クマ自体が生態系の一部として大きな役割を持つのです。

無限の可能性を持つクマ糞、少しは見直しましたでしょうか?

あとがき

なんやかんやで今も野生動物の研究をしているのはクマ糞を拾っていたあの頃があったからなのでしょう。そう考えると感慨深いものがあると同時に、クマ糞に多大なる感謝です。


P.S.余談ですが、先輩が調査にかかる費用などから算出したら、クマ糞1個3000円くらいの価値になるかもと言っていました。

へべれけまかく 東京農工大学

サイエンスコミュニケータ。趣味は読書と筋トレ。インテリ肉体派って呼ばれたい。

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