定義に戻って考え抜く事が数学の良さ

2014-11-22

てぃん

Profile

首都大学東京
都市教養学科 理工学系 数理科学コース
藤原 綾依さん

取材日:2014/02/05
編集者:清水雅俊

※このインタビューは取材してから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

研究内容

--- どんなことを研究されていますか?

私の専攻は「位相幾何学」で、曲線や曲面の性質について勉強しています。研究室は、みんなで教科書を決めて、交代で自分が勉強してきた範囲をプレゼンテーションする、という形式です。他の理系と違って実験がないので、研究室にこもりっぱなしというより個人で勉強してきてそれを確認し合うというイメージです。「数学科ってなにをやっているの?」と聞かれることが多いですが、高校の数学と違うのは、与えられた問題を解くのではなく、定義に戻って、定理を証明し、それらを考え抜くところだと思います。無限とはなにかとか、0とはなにかとか、だから哲学だと言われるのだと思うのですが、そういうことを考えるのが好きな人たちの集まりです。

--- 今の大学は、どうやって知りましたか?

担任の先生の勧めでした。私が東京の国公立大学に行きたいと言ったときに出してくださった選択肢が、東京大学・東京工業大学・お茶の水女子大学・首都大学東京の4つだったので、偏差値的に首都大を選びました。センター試験の結果が出たあと、東京だけではなく関東の大学、そして数学だけではなく情報系の学科も視野に入れて考えましたが、比較的新しい総合大学であることと、教員免許が取れるということが決め手となりました。受験という面から見れば、首都大の入試は数学の配点が高いので、自分に有利になると思っていたのでそのことも幸いしました。

――― 実際に首都大に通っていてイメージと違う事はありましたか?

キャンパスはとても広くてイメージしていた「大学!」って感じでしたが、思っていたより寒くて自然が豊かです。イノシシ注意の看板もありますし(笑)でも、八王子は東京の中でも田舎だと言われていましたが、広島から出てきた私にとっては大学の前のアウトレットでも感動する要素でした(笑)

――― 学部学科について教えてください

首都大は学部学科の名前が分かりにくくて、例えば私は都市教養学部 都市教養学科 理工学系 数理科学コースなのですけど、都市教養学科の中に文理両方のコースが存在しています。私のコースはいわゆる理学部数学科と同じようなものですが、情報系の授業も取ることができて、情報の教員免許も取得できます。ひと学年40人程で、男女比は9:1ですね。

――― デザインに興味があるという事ですがどのような勉強をしていましたか?

首都大学には、「システムデザイン学部 システムデザイン学科 インダストリアルアートコース」というアート系のコースがあるのですが、そのコースの授業を受けて、イラストレーターやフォトショップの使い方を教えていただきました。また、理系でも学芸員(美術館や博物館の専門員)の免許を取得できることを知り、3年生から博物館やデザイン史についての授業を受けています。実際に美術館に行って学芸員さんの話を聴いたり、4年生の夏頃には博物館実習に行ったりします。違う学部の授業を取るのは結構勇気が要りますが、自分の学びたい事があれば受けてみた方が良いと思います。そこは総合大学の強みだと思います。

理系に進んだ理由

--- 数学を好きになったきっかけを教えてください。

特別なきっかけはありませんでしたが、高校2年生に上がるときの文理選択では中学生の頃から数学が好きだったことが大きく影響しています。文系に進むとセンター試験で必要な数ⅡBまでしかやらないので、せっかくなら数ⅢCまでやりたいと思ったからです。

――― 地元の大学に行かなかった理由は何ですか?

数学を学びながらデザインやイラストの勉強もしたいと思っていたので、東京に出てみたいという気持ちはありました。ただの高校生の憧れと言われればそれまでですが、東京の大学に行けば色んな人に出会えて色んなチャンスに巡り合えると思っていたので、それが受験勉強のモチベーションになっていました。

――― もし高校生に戻れたらまた理系の道に進みますか?

もう少し美術やデザイン寄りの分野に進んでいたかもしれません。でも、仮に美大に進んでいたら中学生の頃から好きだった数学には触れられていないので、今の選択に後悔はありません。

――― 数学はなぜ好きになったのですか?

パズルみたいに解くのが好きで、この問題はどうやったら解けるのかなとか、なんでこの公式が成り立つのかなとか、そういったことを考えるのが好きでした。そういえば小学生のときは算数はあまり得意ではありませんでしたが、中学生になってから「どうしてこうなるの?」ということを証明や公式を習うときに考えるようになって、それがどんどん次の単元につながっていくのが面白かったですね。

受験時代

--- 受験時代は、主にどんな勉強方法をしていましたか?

受験時代は、主に友達と図書館で勉強をしていました。おすすめの勉強法は、絶対に計画を立てること。なんとなく単語帳を一冊終わらせようと思って電車で読むなどしていてもなかなか終わらないので、高2の夏休みに完成させようと計画を立てました。学校指定の英単語帳は10ステージに分かれていたので、夏休み5週間を使って1週間に2ステージ終わらせると決めて、1日のノルマを定めていました。英単語は繰り返しだと言われますが、私はどこかで気合いを入れて集中的に頭に入れないと落ち着かなかったので、早めにこの計画を思い付いて良かったと思っています。これで長文が目に見えてスラスラ読めるようになりました。古典単語などにも応用可能です。数学は自分が好きな科目だったので、受験勉強の息抜きに数学をする感覚でした(笑)机に向かっているのに飽きたときは、友達と一緒に難関大の入試問題を黒板で解いたりしていました。最後ものすごく変なグラフになって「こんなの解けるわけないやろ!」って笑いながらやっていたのですけど、答えが合っていた時はすごく感動しました。

――― 友達の存在が大きかったのですね

そうですね。部活の友達がストイックで成績も良くて、すごく頑張る人たちが多かったので刺激になりました。順位を競ったり、分からないところを教えてもらったりと互いに助け合って受験勉強を乗り切っていました。

――― 数学はどんな勉強をされていました?

苦手意識をなくすために、とにかくたくさんの問題を解いていました。過去問も大事ですが、過去問に絞らずに幅広くやった方が良いと思います。首都大の入試は基礎的な問題が多いのですが、応用力もつけたかったので私立大学の過去問を解いていました。ちなみに、センター試験が終わった後の数ⅢCは試験後の部活みたいでした。センター間近だとⅢCは勉強しないじゃないですか。それで、センターが終わって急にⅢCを始めると「えっ!!」ってなります(笑)

――― 他の教科のおすすめ勉強方法はありますか?

英語は、模試や教科書で出てきた単語とその意味を付箋に書いて、一冊の単語帳にどんどん貼っていました。使っていた単語帳は似た意味の単語をまとめて掲載している形式だったので、出て来た単語と似た意味の単語をその単語帳で調べて、そのページに貼りました。自分で調べる事で記憶が定着しますし、何よりもこの一冊が辞書代わりになりました。

――― リフレッシュしたいときはどうされていました?

ご飯!!(笑)人と話しながらお弁当や夜ご飯を食べる時間が1番の息抜きでした。

キャンパスライフ

--- 本格的にデザインを始めたのはいつからですか?

大学3年生の夏からです。高校生の頃は単純に絵を描くのが好きで色鉛筆や絵の具を使って描いていましたが、大学に入ってからイラストレーターやフォトショップの勉強を始めました。

--- そこでつけたデザインの知識はどのように活かしていますか?

理系コミュニティ「理系+」に入っていて、そこでデザインを担当させてもらっています。そこで、webデザインをしたりイラストを描いたりしています。数学科なのにデザインに興味があるってなかなか人に言えなかったのですが、理系+は自分の専門を活かしながら本当にやりたいことができる環境なので、今すごく幸せです。

--- 大学生にうちにやっておきたいことは何ですか?

思う存分勉強する事ですね。自分が学びたい事があったらどんどん学んでいく姿勢は大事だと思いますし、せっかく先生が教えてくれるという恵まれた環境にいるのが学生なので、それを最大限に生かしたいです。

高校生へメッセージ

「やりたい事がやれない時期は本当の夢が見つけられる絶好のチャンスです。だからつらい時期は夢の育成期間と思ってがんばって下さい」私が受験生のとき、さくらももこの「ちびまる子ちゃん」に出てきたこの言葉を励みに頑張っていました。受験勉強は楽なものではないし、この勉強が何の役に立つのかもピンときていない人も多いと思います。でも、そのつらい時期は自分が何をしたいのかを考えるときだと思うので、未来への希望を大いに膨らませてほしいです。

てぃん 理系コミュニティ理系+

情報系の学部4年生。理系コミュニティ理系+にてwebエンジニアとして活動中。趣味は映画鑑賞、パン屋さんめぐり、ミュージカル鑑賞。

@snoopypoint

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