ポジティブスパイラルを起こす

2014-11-25

てぃん

Profile

東京理科大学
基礎工学部 生物工学科
北畠 早紀さん

取材日:2014/03/14
編集者:清水雅俊

※このインタビューは取材してから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

研究内容

--- 学生時代は、どんな研究をしているのですか?

 trbp(tRNA-binding protein)というタンパク質の研究をしています。とても古くからあると考えられるタンパク質で、名前の通りtRNAに結合するタンパク質であるものの、その機能等がまだ分かっていないんです。でも、古くから今もあるということは、重要なタンパク質ではないかと考えられます。生命の進化に関わっているのではないか、という仮説があり、少しでもその機能をひもとけないかと実験、解析をしています。

--- 今の学部・学科にした理由は何ですか?

 受かった学科の中でどこに行こうかと考えたとき、最大の決め手となったのは学べる内容です。自分の興味があることについて学ぶには生物工学科が一番近そうだなと思いました。それ以外の理由としては、4年間の中で何度もキャンパスが変わる環境で自分を試したかったからです。

キャンパス移転などの偶然も重なり、1年次は北海道の長万部キャンパスで寮生活、2年次はアメリカで1年間留学、3年次は野田キャンパス、4年次は葛飾キャンパスと、毎年違う場所で過ごしました。(現在は通常、1年次長万部、2年以降は葛飾となっています。)1年間北海道で寮生活をするというのは東京理科大学基礎工学部ならではの特徴だと思います。

--- 長万部での生活はどうでしたか?

 他ではあまり経験できないことがたくさんできました。寮での生活もそうですし、スキー、テニス、ゴルフの授業など、北海道だからこそ、キャンパスが広いからこそできることというのは大きいですね。サークルも毎年自分たちで立ち上げて1年の終わりに解散というシステムなので、ずっとやりたかったダンスに挑戦できたのがうれしかったです。また、実家を離れたことで親のありがたみも分かりました。

--- 生物工学科の人数と男女比はどのくらいですか?

 全体が100人程で、男女は半々ぐらいです。生物は女の子が多めですよね。学部全体では、男女3:1くらいです。学科によっては女子が少ないですが、1年次は寮生活が生活の基本なので、授業以外はむしろ周囲は女子ばかりでしたね。

理系に進んだ理由

--- 理系に進んだ理由は何ですか?

生物が好きだったからです。最初に興味をもったきっかけは、小学生くらいのときに血液型の遺伝の仕組みについて知ったことだったと思います。そして、中学のときに生物の授業で「メンデルの法則」を学んだときに生物って面白い!と思い、理系に進もうと思いました。遺伝の仕組みは聞いているだけで自然とわくわくするものでした。

--- 理系に進んだのに、数学が苦手とお聞きしましたが・・・

 苦手ですね。(笑)「理系なのに数学苦手なの?」と驚かれることも多いのですが、私の周りには結構いますよ。(笑)

--- 文系に進もうとは思わなかったのですか?

大学で何を学びたいかなと考えたとき、興味があったのは「生物学」と「心理学」でした。でも、その先の職業を考えたとき、当時は心理学だとカウンセラーのイメージしか浮かばず、理系ならば将来の幅がもっと広いだろうと考えて生物学を選びました。英語も現代文も得意で、数学が苦手だったので周りからは驚かれましたが自分では全く迷いませんでしたね。中高生と話していると「興味があるのは理系科目だけど、数学が苦手だから理系に進まない方がいいんじゃないか」という人がとても多いなと感じます。何を学びたいか全く分からなければ得意不得意で選ぶのもありだと思いますが、学びたい科目があるのに他の科目が苦手という理由だけであきらめてほしくないです。「理系科目が好きだけど、女子が少ないから文系にする」も同じです!

受験時代

--- 受験時代一番成績が良かったのは何でした?

 英語です。特に時間を割いて勉強していたわけではないのですが、人と違ったことは何だろうと考えると、NHKラジオの「基礎英語」等の講座を中学1年生から毎日欠かさず聴いてきたことだと思います。言語って習得するのに絶対量があると思っていて、毎日15分だけラジオを聴き続けたことでその絶対量を突破出来たのだと思います。大学2年でアメリカ留学したときにアメリカ人からも何度も英語をほめてもらえてそう感じました。積み重ねは強いです。ほんのちょっとと感じるくらいの地道な積み重ねが最後に効いてくると思います。

--- 志望校はどのように決めましたか?

 学びたい内容が学べるかどうかですね。ただ、受験科目の選択で葛藤もありました。第一志望だった大学は、生物系の学科でも理系の受験科目が物理と化学でした。高校で進路選択用に開講された体験授業を受けたところ、あまりにも物理の方に興味が持てなかったのでどうするべきか本気で悩みました。でも、結局は可能性を狭めないために物理を選び、2年間勉強しました。そうしたら、初めは一体これのどこが面白いんだろうと思っていたのに次第によく出来ているな、と思えるようになりました。なんでも食わず嫌いせずやってみるべきだな、と思いましたね。

--- 受験生に向けて伝えたいことはありますか?

 受験生からは必ずと言っていいほど聞かれる質問があるんですよ。「合格するのに、どれくらい勉強しましたか?」って。自分も高校生のときすごく気になっていたので気持ちはよく分かるんですが、実はこれってあまり意味のない質問なんじゃないかなと思います。先輩と自分は得意、不得意な科目も分野も違うし、同じやり方をしても身へのつき方は絶対に違いますよね。大事なのは、「自分には何が必要か。」今の自分はどのレベルにいて、どのレベルに行きたいのか。そのギャップを埋めるためにはじゃあ何をすればいいのか。時間はどれくらいあるのか。それらをふまえていつまでに何を終わらせるのか逆算する。やってみて、結果が想定通りにいっていないなと思えば計算し直して軌道修正する。何でもその繰り返しだと思います。

大学受験は、やればやった分だけ結果がついてきます。よっぽどやり方を間違えずに頑張れば、結果はちゃんとついてくるはずです。

キャンパスライフ

--- 学生時代は何をしていましたか?

 「理系女子学生団体 リケチェン!」に所属していました。女子中高生を対象に、現役理系女子大生の立場から理系の実態や魅力を伝える団体です。イベントを開いたり、フリーペーパーを作ったり、大学4年で代表を務めたりと、本当にいろいろな経験をしました。リケチェンに入っていなかったら今の自分はないと思います。

--- リケチェン!に入って自分自身変わった事はありますか?

数え切れないほどありますが、一番大きいのは苦手が克服できたことだと思います。一例を挙げると、私は緊張してしまうので人前で話すのが本当に苦手で、ずっと避けてきました。でも、リケチェン!に入ってすぐ、数人のミーティングでも発言するときに緊張して支離滅裂になってしまって。そんな自分にショックを受け、伝えたいことがあるのにちゃんと伝わらなかったらすごくもったいない、これじゃダメだ、と思いました。そこからプレゼンの本などを読んで学びつつ、「失敗しても糧になるから大丈夫」くらいに気楽に構えて、とにかく積極的に人前で話すことを心がけました。ちゃんと準備、練習を繰り返してプレゼンしたときには、昔の自分がうそみたいに全く緊張しなくて。「あ、苦手だと思っていることも怖がらずにちゃんと努力すればできるんだ」と思いました。数人のミーティングで緊張していた自分が、100人の前でも、アドリブでも話せるようになるなんて思ってもいませんでした。苦手と感じることってたいてい、実はやっていないから苦手と思っているだけで、ちゃんとやってみると意外とできるものだと思います。

高校生へメッセージ

 自分の「好き」「やりたい」と思う気持ちを大切にしてほしいです。私は、数学が苦手でも生物が学びたかったから理系に来ました。もちろん数学で苦労はしましたし、得意科目が多い文系に進んでいたら、受験だけに限っていえばもっと楽に突破できたかも知れません。でも、何でもやり遂げようとしたら困難はつきものだと思います。これをやりたい、という前向きな気持ちがあれば、他のものも頑張れるはず。これからも、選択しなければならないこと、その中で迷うことはたくさんあると思います。でも、自分自身で考えて決断し、納得して進んでいけば、後で考えが変わってもきっと後悔はしません。自分の素直な気持ちを大切に、自分の頭でとことん考え、行動していってください。応援しています!

てぃん 理系コミュニティ理系+

情報系の学部4年生。理系コミュニティ理系+にてwebエンジニアとして活動中。趣味は映画鑑賞、パン屋さんめぐり、ミュージカル鑑賞。

@snoopypoint

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