プログラミングでDNA複製に関わる配列データを予測!

2014-12-29

てぃん

Profile

慶応義塾大学
環境情報学部
川本 夏鈴さん

取材日:2013/11/30
編集者:森本彩香

※このインタビューは取材してから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

研究内容

−-どんな研究をされていますか?

バクテリアのDNA複製に関わる重要な配列を、生物の遺伝子情報が集約されたゲノムデータ(DNAのデータ)を基にプログラミングを使って予測しています。例えば、大腸菌などのバクテリアは環状ゲノムを持っていて、効率よく複製と分裂が完了するようなシステムが恒常的に働いています。しかしながら、そのような特殊なシステムの中心因子は現在限られた種でしか実験的に分かっていないため、ほかの様々な種では中心因子がどのようなものであるかを予測する研究をしています。実は、このテーマは学部2年生の終わりから取り組んでいて、それまではiPS細胞などの多分化能細胞がいろいろな組織になる仕組みに興味があり、エピジェネティクス(DNAに化学的な変化が起こることで遺伝のしかたが変わること)の研究をしていましたが、なかなか上手くいきませんでした。そんな時に実験演習の授業を通して、バクテリアに興味が湧き研究テーマを変更することにしたのですが、この変更は私が所属している学部は学部1年生から研究できるという特徴的な制度があったからことできたことで、普通の大学のように3年生や4年生で研究室に配属されていたら、途中で研究テーマを変更するというのは難しかったのではないかと思います。

キャンパスライフ

--サークル活動はやっていますか?

1年生からずっとTopDogsという硬式テニスサークルに所属していまして、テニスサークルというとちゃらんぽらんな印象も強いですが、関東大会ベスト16などある程度の結果も残していて、練習もちゃんとしています。昨年度はキャプテンを務めていて団体戦というサークル対抗の試合に出るメンバーをまとめていたのですが,弱いサークルではないのできちんと勝ち上がれるか非常に緊張した数ヶ月間でしたがよい経験になりました。また、学校主催のOpen Research Forumというイベントの運営にも携わらせて頂いたりもしています。これは、SFCの様々な研究室が東京ミッドタウンで展示などとともに研究発表をするというイベントで、去年私の研究室は蜘蛛糸のドレスの展示をしまして、私自身その美しさに感動しました。このORFに参加して一般の方が私たちの研究室に興味を持ってくれるととても嬉しいですし、ほかの研究室のことも知れるのでとても勉強になります。

受験時代

--外部進学は考えなかったのですか?

それは全く考えませんでした。慶應義塾大学の付属校生ほとんどが慶應義塾大学に進学するので、あまり外部進学という選択肢は無かったですし、本当に内部進学で良いのかと考えなかった点はあまり良くなかったところだと思っています。また、勉強したいなと思うものが慶應義塾大学に既にあることや、受験を避けたいという理由から内部で進学しようと考えました。

--内部進学でコンプレックスなどはありますか?

もちろんあります。大学受験をしていないので、将来のことをちゃんと考えていないと親に怒られたこともあります。大学に入学してから感じたことですが、やはり大学受験を経験している人は、学力の面でも気持ちの面でも強いなと思いますし、その姿勢に恐怖を感じながらも負けないように勉強や研究をしてきました。

--今の大学を選んだ理由は何ですか?

学部の名前や分野などではなく、学部1年の頃から研究会に所属できることや、冨田研究室で研究がしたかったので、SFCを選びました。大学入学後には、各研究室を知れるイベント等が学内で開かれるので、それに参加して自分で興味のある研究室を探します。その後、研究室の教授と連絡をとって、許可が出れば配属することができるようになる、というのが通常の流れではないかと思います。私は高校生の時から大学内の説明を聞く機会がたくさんあったので、それを通じて生物を研究している冨田教授という方がいらっしゃることを知りました。直接、冨田教授のお話を伺った時も「1年生から研究をがんがんやるのが良い」とおっしゃっていて、その考え方に非常に惹かれました。

--環境情報学部とはどんな学部ですか?

環境情報学部の環境というのは、地球環境の環境ではなく、自分の身の周りを取りまく全ての環境のことで、それを情報学的にとらえる、といった考えを持つ学部です。大学としては文理融合を目指していて、文理に関係なく好きなことを学べるキャンパスにしようという狙いがあり、履修などに関しては本当に自由度が高いです。なので、SFC(環境情報学部と総合政策学部)には様々な人がいて、インターネット系を勉強している人もいれば、建築を勉強している人や、私のように生物系を勉強している人もいます。

--一般的に大学1年生は教養科目を勉強する時期だと思いますけど、基礎学力はどのように身につけましたか?

基本的にはすべて自分で勉強しました。基礎をやる授業はもちろん用意されていますが、選択するかは個人の自由になっており、その後は自分で勝手に学習を進める感じなので、理工学部などにくらべたら基礎的な知識は非常に乏しいと思います。私たちの勉強の流れとしては、まず興味がある分野の論文などの文献を読んで、知りたいところや分からないところがあれば、教員や先輩の方に聞き補足していく、というステップを踏んでいます。まんべんなく教養知識をつけることで全体的に強くなるのではなく、局所的に専門知識を付けて強くなるというイメージです。

--1年生から研究できて良かった点はありますか?

1番大きいことは、他の人に比べて先駆けて経験を積めたことで、学部3年生にも関わらず学会に参加したり国際論文を投稿した同級生もいます。自分自身も学会には学部生の頃からポスター発表で参加させてもらっていて、このような経験を早い段階から積めたというのがすごく良かったですね。あとは、勉強自体は嫌いではないですが、得意でもないというのが正直なところですので、他学部の学生は必修の勉強が多く、好きな勉強がなかなかできておらず大変そうだなという印象を受けるので、自分の好きな勉強を早くから出来たことも良かった点かなと思っています。

理系に進んだ理由

--なぜ理系に進もうと思ったのですか?

高校2年生のときに,生物の授業で遺伝の仕組みや、DNAからRNAがつくられ、RNAからタンパク質がつくられるという生命の根本原理(セントラルドグマ)の話を聞いたのがきっかけです。そのときに、「生命ってこんなにシステマチックで凄いのか」と興味を抱くようになりました。他の理系科目は全く得意ではありませんでしたが,大学で生物が勉強したい一心で高校3年次の理系選択を決断しました。

高校生へのメッセージ

大学生になってから自分の高校生時代を振り返ると、考えが甘かったなと思うことは多々ありますが、唯一良かったことは「自分が好きなことはなにか」を悶々と考えていた点ではないかと思います。高校生の皆さんも、将来やりたいことや何をしているときが楽しいかをしっかり考えて、自分の中に軸を持ち情報を自分なりに取捨選択していってほしいですね。どんな人にもぴったりな大学や学科は必ずあると思いますので、最後は自分の考えと直感を信じて、前へ進んでください!

てぃん 理系コミュニティ理系+

情報系の学部4年生。理系コミュニティ理系+にてwebエンジニアとして活動中。趣味は映画鑑賞、パン屋さんめぐり、ミュージカル鑑賞。

@snoopypoint

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