レシピデータを集めて国際貢献!

2015-01-15

てぃん

Profile

お茶の水女子大学大学院
人間文化創成科学研究科 ライフサイエンス専攻 食品栄養科学コース
網谷 有希子さん

取材日:2014/10/26
編集者:ゆーた

※このインタビューは取材してから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

研究内容

--大学院では何を研究なさっているのですか

ルワンダ東部農村地域にて食事調査をしています。民家に朝から晩まで滞在し、世帯員が調査日に何をどれだけ食べたか、すべての飲食物を秤量記録することで、エネルギーや微量栄養素の摂取量等をすべて計算します。これまでに、約900のレシピデータを集めました。

--ルワンダはどんなところですか

すごく良いところですよ。ルワンダ人は「アフリカの日本人」と呼ばれています。とても優しくて、誠実で働き者。政府が推しているコーヒーの栽培やゴリラツアーが有名です。また、IT立国なので農村地域でも宿舎ではWi-Fiが通じます。毎晩家族とメールしたり、週末にはSkypeをしたりもしていました。その一方で、調査世帯がある地域の道は舗装されておらず、水も電気も通っていません。

理系に進んだ理由

--高校時代はもともと文系だったのですか

高校2年生までは文系クラスに在籍していて、3年進学時に理転しました。もともと文系にいた理由は、国際分野を学びたかったからです。国際貢献できる人になりたいというかねてからの夢があり、国際教養学部などに進もうと考えていました。しかし、何か自身の専門分野を身に付けたいなと考えた時に、食物栄養学科を見つけ、理転することを決意しました。

--なぜ理転されたのですか

先生に進路の相談をしたところ、理転すればSSH(通常よりも理数教育に力を入れている高校内の)プログラムを3年生でも続けられると助言していただきました。それで理転しようと。

--高校時代はプリンの研究をなさっていたのですか

SSHのプログラムで、何かひとつテーマを決めて実験をするという課題がありました。そこで私は、ジンジャーミルクプリンというデザートの研究をしていました。一般的に、プリンやゼリーなどのスイーツは、卵や寒天、ゼラチンを入れないと固まりません。ところが、不思議なことにジンジャーミルクプリンの場合、生姜汁をすりおろしてそこに温めた牛乳を勢いよく入れると固まるのです。しかし、必ずしも凝固するわけではなく、うまくいかない時もあってレシピが不安定でした。そこで、このジンジャーミルクプリンが固まる原理が分かれば、100%固まるレシピができるのではないかと考え、2年間研究していました。

--この分野を選んだ理由はなんですか

もともとお菓子作りや料理がとても好きだったからです。化学出身で料理上手な母の影響だと思います。母から、身の回りのいろいろな現象が科学の原理の上に成り立っていることを教えてもらい、おもしろいなと感じたことが大きなきっかけだと思います。例えば、アツアツのプリンは冷えているものより甘く感じます。それは高温の条件下では分子の動きが活発で、味覚を感じるセンサーに衝突する回数が増えることと関連しています。そのような科学のしくみに興味をそそられました。

--大学を選んだ理由はなんですか

もともと国立大学に進学しようと思っていて、実家から通えることもメリットでした。SSHプログラムで高校1年生のときにお茶の水女子大学の先生の授業を受ける機会があったのですが、そこで初めてキャンパスに入り、この雰囲気が気に入りました。食分野を学べることも魅力に感じました。

受験時代

--受験時代はどんな生活リズムでしたか

超朝型生活を送っていました。「19時就寝→23時半起床→夕ご飯→翌朝7時まで勉強→朝ごはん→登校」という生活で、夜は勉強が捗らないタイプだったからこそ編み出せた方法です。

キャンパスライフ

--大学ではどんなことを学ぶのですか

必修科目がとても多い学科です。例えば調理学に関連する科目を紹介すると、1年次には基礎調理学実習、2年次には応用調理学実習があります。それを終えると、和食・洋食・中華、行事食や介護食まで一通りなんでも作れるようになります。カツオを一本さばいたり、ルウを小麦粉から作ったり、パンを焼いたり、うどんを打ったり、とても楽しいです。3年次には調理科学実験があります。毎週、異なる食材を用いた実験を行うのですが、例えば、古い卵と新鮮な卵でメレンゲを作り、泡立ちや卵白の質の違いを観察します。油や砂糖の量を変え、複数のレシピでクッキーやスポンジを焼き、食べ比べることで、それらの食材が果たす役割を科学的に考察していくことが楽しかったです。

--研究職というよりは、実践的な職業に就きたい人が多いのですか

管理栄養士養成課程ですので、他大学ではそういう人が多いように思います。しかし、本学は管理栄養士や栄養士として就職するのは2割弱で、食品メーカーなどの研究職になる人が多いです。

--実際に入学して意外だったことはありますか

高校も女子校だったので、その延長のようでした。学科は40人しかいませんが、高校の一クラスがそのまま進学したという感じです。自分の中での変化は、電車で通学するようになったことくらい。居心地も以前と同じようで過ごしやすかったです。

--学業以外で力を入れていることはなんですか

TFT(「食べるだけの国際貢献」。対象の料理などを購入すると、一食につき20円の寄付金が開発途上国の子どもたちへ給食として届くプログラム)の活動ですね。国際協力と食の両方に関わる活動だと知り、これは私がやらなくて誰がやるんだと感じて入りました(笑)。あとはLearney Birdsという朝活も5年間続けています。毎週決まった曜日に、カフェの一角をお借りして、朝の7時から皆で集まって勉強しましょうという活動です。発表担当が持ち回りなので、毎週、様々なテーマのお話を伺うことができ、とても刺激的です。

高校生へのメッセージ

今しかできないことを一生懸命やってみてください。夢中になって取り組んだことがひとつでもあれば、それは今後の人生において、かけがえのない経験になると思います。

てぃん 理系コミュニティ理系+

情報系の学部4年生。理系コミュニティ理系+にてwebエンジニアとして活動中。趣味は映画鑑賞、パン屋さんめぐり、ミュージカル鑑賞。

@snoopypoint

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