医学部でも研究します!

2015-03-20

てぃん

Profile

横浜市立大学
医学部 医学科
関井 隆介さん

取材日:2014/04/16
編集者:藤原綾依

※このインタビューは取材してから1年以上経過しています。情報が古い可能性がありますので、ご注意ください。

研究内容

-----必修科目は多いですか?

医学部は全部カリキュラムが決まっているので、授業を選ぶのは1年生のときだけです。基本的には1限から4限まで毎日入っています。

-----研究室配属はありますか?

研究室に配属されている期間は短くて、4年生の最初から7月までです。研究室の数が多いので、自分のやりたい分野の研究をすることができます。病気の研究をする人もいますし、iPS細胞の研究をする人もいます。僕は薬医学の研究をしています。人数は全員で20人くらいで、同期は3人です。多いところだと6~7人います。

-----理学部の研究室はどのように決まるのですか?

理学部は実験のレポートが全部点数化されるんです。1年生の成績でコースが決まって、2年生の成績で研究室が決まるんです。物質の研究室は3年生前期の実験で決まるところもあります。医科の研究室は新しいし人気がありますが、物質と環境は定員60人なのに対し医科は40人と少なくて。

-----入学のときに決まっているわけではないんですね。大学に入ってしまえばそれからはもう全部決まっているものだと思っていました!

そうなんです。

-----研究室が終わってからはどのようなことをするのですか?

7月の研究室配属が終わってからは座学を受けて、1月にCBTという試験を受けます。病院で実習が始まるので、それを受けるための試験です。CBTに合格しないともう1回それを受けるために留年しなければいけません。薬学部にもCBTとかオスキーとかありますよね。それも薬局や病院に実習に行くための試験ですよね。

-----どのくらい取れたら合格なのですか?

ボーダーが上がって、これまでは6割取れれば合格だったのが去年から7割になってしまって。今年は3人だめだったらしいです。

病院に実習に行くのは5年生からで、6年生で卒業試験、そして国家試験を受けます。

-----実験の授業はありますか?

2年生のときに解剖と、「組織」という授業があって、主に顕微鏡をずっと覗いています。組織の授業はそんなに残酷なわけではないです。3年生になったらもうほとんど実験はないですね。

-----解剖について詳しく聞きたいです!

解剖は体力勝負なところがあります。昼過ぎから始まるのですが、遅い人だと18時まで残ってやっている人もいますし。

解剖は4人の班につき一体です。私立大学だと先生が解剖しているのを見ることもありますが、横浜市立大学は少人数で頭からつま先まで全身を見ます。

解剖室という、台の上に身体が並んである部屋があって、それを最初見たときは結構強烈でした。よく言うごはんが喉を通らないということはありませんでしたが、女性の中にはそういう人もいましたね。

最初は皮を剥いで、筋肉を見たり、足を開いたり、切り取ったり…。手引きがあるので、それの通りに行います。今日はここまでやる、という線引きがあるので、それが終わるまで帰れません。効率のいい人は早いですが、遅い人はしっかりやってからの帰宅になります。

理学部でもマウスの解剖はやりますか?

-----やりました!安楽死させて解剖しました。でも動物と人だと違いはありますよね。

僕は人より動物の方が厳しいですね。動物は生きてるって感じがしますし、カゴに入っていると鳴いたりするじゃないですか。それを聞くとちょっと心が痛みます。でもそういうものに対する耐性がつくので、怖い映画を見ても平気になりました。

解剖する体は男の人と女の人が順番になっていて、班によって違うんです。

-----マウスもそうでした!2人1組になってオスとメスがあって。

精巣を出したり腸を出したりして、どのくらい長さがあるか確認させられるんですよね。顔も描きますし。

-----描きました!可愛く描けました(笑)

忠実に描かないとだめでしょう(笑)

-----そうですね(笑)解剖にはもう慣れましたか?

まだ慣れてないですね。かわいそうだという気持ちがまだあります。

-----人間の体だとすごい臭いがしそうですね…

体の臭いでではなくて、ホルマリンの臭いが結構強烈なので、それにやられて体調が悪くなる人もいるんですよね。

-----実験は解剖だけですか?

他にもいろいろあって、生化学実験やタンパク質の抽出、酵素の実験などもやりました。PCRという実験装置があるのですが、最初は練習をさせてもらって、研究室に配属になってから実際に使ってみます。できる人は練習で全部覚えてしまって、今はもうバリバリやっている人もいます。どこにでも一定数いるのかもしれないですが、意識が高い人、優秀な人はいますね。

-----看護学科と同じ授業はありますか?

1年生のときしかなかったです。看護学科の人が卒業してから医学科は実習が始まるので、ほとんど関わりはありません。

また、看護学科は卒業論文がありますよね。医学科は卒論がない代わりに卒業試験に受からないと卒業することができません。

-----卒業後はどういった病院に勤めたいと考えていますか?

親が医者じゃないので開業医は難しいかな、と思っているのですが、育ちが横浜なので横浜で医者をやっていければいいなとは思っています。

-----小児科や外科など、志望している科はありますか?

それはまだ決めていません。色々なところに研修に行けるみたいで、それに行ってから決めようと思っています。最初から決めている人もいますが、研修後に決める人が多いですね。

-----医学部卒で研究の道に進む人もいるのですか?

毎年はいないかもしれませんが、すごく優秀な人は研究者になることもあります。中には医者になってから研究のために自分が卒業した研究室に博士課程として帰ってくる人もいます。

でもほとんどは医者になりますね。医者の枠も増えていて、毎年1万人くらいの医者が誕生しているそうです。

でも、地方には医者が足りないという話も聞きますよね。こっちだと自分で病院を選ぶことができるじゃないですか。でも地方だと、例えば私が体調を崩したらそれに対処してくれる病院を探すところから始まるんです。こっちに来て病院の数にびっくりしました。

-----そうなんですね。こっちは病院は多いですよね。ひと駅にひとつは必ずあるくらい。

東京に出たら地方には戻らない人も多くて、戻らないからこそひとりの医者への負担が大きくなってしまい、自分が戻っても大変だから戻らない…という負のサイクルですよね。優秀な人ほど地方には戻らないことも多いですし。

今は制度が変わって自分の好きな病院に研修に行くことができるので、都心の方に集まってしまっているのかもしれません。前までは自分の大学の病院に行くのが普通でしたがそれがなくなってしまったので。需要はすごくありますし、多くの医者を輩出して地方の医療も充実していけば良いですね。

受験時代のエピソード

中高時代は結構遊んでいて、先生に「人生なめんな」ってすごく怒られたことがあったんです。それから堅く生きようと思って、勉強を始めました。高校生活はもっと遊ぶつもりでいたのですが、思った通りの高校生活ではなかったですね(笑)

-----医学部に行こうと思ったのもその先生の影響ですか?

それもありますね。小さい頃から医者になりたいとは思っていて、小学校の卒業文集にも将来の夢は「医者」と書いていました。あまり勉強もしていなかったので、進路相談のときにもう一度考え直して、医学部に行こうと決心しました。

逆にどうして君たちは理学部に進んだのですか?

-----私は本当は薬学部に行きたかったのですが、薬学部以外で薬学について勉強できる横浜市立大学の学部を選びました。

創薬系の新しくできたところですね。それができて福浦キャンパスに他の学部の人が来るようになったんですよね。やっぱり活気が出てきますよね。福浦キャンパスは医学部のキャンパスなので、医学科だったら顔を見たら学年もわかるくらいです。

-----人数は少ないのですか?

ひと学年90人で、男女比は2対1です。僕の学年は年齢層が高くて、再受験の人も多く平均すると2、3浪ですかね。

-----横浜市立大学を選んだ理由はありますか?

最初は筑波大学を志望していたのですが、体育で肩を外して病院に行ったことがあったんです。そのとき学校の先生がついて来てくださって、「この子医学部志望なんですよ」と話をしたら、その病院の先生が横浜市立大学を卒業されていて、横浜市立大学を勧められたんですよね。1時間くらいずっと話していて、そのときも肩は外れていたんですけど(笑)「じゃあ横市にします!」と言ってから治療が始まって(笑)

家から通えるということが決め手にはなりましたが、今となっては一人暮らしもしてみたかったな、とは思います。中高時代も行動範囲が横浜だったので。

-----塾には通っていましたか?

広告で有名なみすず学苑に通っていました。授業が終わったあとにひとりひとり面談があって、何を勉強すればいいのか、どの順にやっていけばいいのか、全て決めていきました。教室が狭いので生徒数は多くて20人でした。現役のクラスは2つくらいしかなかったので、そのぶん人数も多かったですね。

-----1日にどのくらい勉強していましたか?

学校が終わってから友達と学校の自習室に行って、毎日夜9時くらいまで勉強していました。日曜は学校が始まる時間に自習室へ行き、同じように夜9時までやっていましたね。

-----得意科目はありますか?

やっぱりみすず学苑に通っていたので英語ですね。あとは先生が良かったので物理も得意でした。学年では結構いい点数をとっていて、全体でも模試はいい方でした。

------生物の勉強はしていましたか?

全然勉強していなかったので、医学科ではとても苦労します。大学に入ってから勉強しましたが、やっぱり高校で勉強するのとは身につき方が違うので大変です。

------逆に医学部では物理は使いますか?

使わないですね。でも受験で生物を選択していた人は結構少なくて、学年に20人いないくらいです。生物を取っていたかどうかは卒業試験の成績と相関するらしくて、物理をやっていた人はヒヤヒヤしながら受けるそうです(笑)

キャンパスライフ

横浜市立大学は田舎ですよね。金沢八景に行ったときびっくりしました(笑)受験のときに親とどこかでご飯を食べようと思ったのですがどこにもなくて…。それで結局横浜まで出てから食べました。金沢文庫の方に行けば食べるところはありますが、大学の周りは本当にのどかですね。

-----現在アルバイトはしていますか?

家庭教師をやっています。1年生のときは大戸屋で、3年生のときも飲食で働いていたのですが、カリキュラムがきつくてやめてしまいました。今は時々短期でイベントスタッフのアルバイトをしています。

-----大学生にうちにやっておきたいことはなんですか?

社会人になってからはやっぱり遊ぶ時間がなくなってしまうので、自分の時間を楽しみ抜くことです。

高校生へのメッセージ

高1高2で結果が出なくても、高3からのセンター試験で一発逆転も可能ですし、自分のやりたいことのために最後まで頑張って、納得できるように受験を乗り越えてください!

てぃん 理系コミュニティ理系+

情報系の学部4年生。理系コミュニティ理系+にてwebエンジニアとして活動中。趣味は映画鑑賞、パン屋さんめぐり、ミュージカル鑑賞。

@snoopypoint

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