ニュートリノ検定(非公式)

2015-10-06

毒田 弦三

はじめに

まずは梶田教授、ノーベル賞受賞おめでとうございます。

2015年のノーベル物理学賞は「ニュートリノ振動」を発見した梶田隆章教授とArthur B. McDonald教授に贈られました。さて、筆者はかつてニュートリノ物理に携わっていた者なのですが、この機会にみなさんにニュートリノとは何なのかを知っていただくため、「ニュートリノ検定(非公式)」なるものを作りました。

 

ルール、級について

以下に、ニュートリノに関する25の記述があります。このうち7つは正しくて、残りは間違った記述です。

 

この中から7つ、正しい記述を選んでください。選んだ記述のうち3個以上が合っていたら3級合格とします。

間違っている箇所に横線を引いてください。12個以上合っていたら2級合格とします。

間違っている箇所を正しい記述に書き換えてください。12個以上合っていたら1級合格とします。

 

教科書の持ちこみ、Wikipedia等によるカンニングは禁止です。

この機会に是非このニュートリノ検定に挑戦していただき、みなさんそれぞれのニュートリノ知識を試していただけたら、と思います。やや難しめに作ったので1級をとるのは博士課程の人でも難しいと思います。でもがんばってください。制限時間は1時間とします。

 

それではニュートリノ検定、スタート!

 

 

検定スタート

<基礎知識編>

1・ニュートリノの存在を予言したのはヴォルフガング・パウリである。彼はこの業績によってノーベル賞を受賞した。

2・ニュートリノという名前の名付け親は、ロバート・オッペンハイマーである。

3・ニュートリノの存在を実験で確認したのは、フレデリック・ライネスとクライド・カワンである。彼らが検出したのは原子爆弾からのニュートリノである。

4・ニュートリノは不安定原子核がアルファ崩壊(アルファ壊変)する際に放出される。

5・太陽内で生じる核融合反応でニュートリノが放出される。

6・ニュートリノにはわずかながら質量がある。

7・小林誠と益川敏英は、ニュートリノが3種類あると予言した。

 

<専門用語編>

8・ニュートリノは「クォーク」と呼ばれる粒子のグループの一員である。

9・ニュートリノはスピン1を持つフェルミオンである。

10・すべてのニュートリノはヘリシティが左巻きと考えられている。つまり進行方向に対してスピンの向きが反対向きである。

11・ニュートリノがパイ中間子を媒介に荷電カレント反応をすると、ニュートリノは対となる荷電レプトンに変化する。

12・ニュートリノ振動とは、量子力学的な干渉効果によって、銀河系内のニュートリノの存在密度が周期的に変化する現象である。

13・ニュートリノのフレーバー固有状態と質量固有状態の混合は、PMNS行列と呼ばれる行列で表現される。

14・ニュートリノがマヨラナ粒子であるなら、ニュートリノレス二重ベータ崩壊が発生する可能性がある。

15・弱い相互作用すらしない未知のニュートリノが存在するかもしれない。この仮説上のニュートリノは、「傍観者」という意味のスペクテイター・ニュートリノと言う。

16・地表付近を飛び交うニュートリノのうち、最も数が多いのは、二次宇宙線由来のニュートリノ(大気ニュートリノ)である。

 

<実験編>

17・カミオカンデはニュートリノ-電子の散乱で発生するシンチレーション光をとらえる検出器である。

18・カミオカンデの跡地に建設された検出器、カムランドは、液体アルゴンを用いて反電子ニュートリノを検出する。

19・ニュートリノ研究を行う海外の地下施設として、アメリカのスーダン、スイスのグランサッソ、カナダのサドベリーが挙げられる。

20・原子炉から放出される反電子ニュートリノのエネルギーは、最大50MeV程度である。(10月11日11時訂正)

21・2011年にニュートリノの超光速性を示す実験結果が発表されたが撤回された。これはニュートリノ生成地点と測定地点の時計の同期に不備が認められたためである。

22・加速器ニュートリノの生成量を表す指標として、標的に何クーロン分の電子を照射したかという数値、「ルミノシティ」が使われる。

23・天然の岩塩鉱床や南極の氷から発せられる電波を観測することで超高エネルギーニュートリノ反応を検出する試みがある。電波はエフィモフ効果と呼ばれる干渉効果によって観測可能な強度になる。

24・ニュートリノと原子核の反応断面積は、ニュートリノのエネルギーによらず一定である。

25・地熱の源の約半分は、地球内部の放射性物質の崩壊によるものである。この事実は地球内部から発せられる反ニュートリノの測定により裏付けられた。

 

お疲れ様でした

いかがだったでしょうか?解答と解説は次の記事にて発表します。

画像出典:https://goo.gl/aGnkWQ

毒田 弦三 博士研究員(自称実験屋)

ぶすだげんぞう。素粒子原子核宇宙物理の実験を専門とするポスドク研究員です。

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