【気ままに生命科学 】#1 DNAってなんだろう ~DNAの役割と構造~

2013-11-04

ふみお

こんにちは。

突然ですがみなさん、DNAってなんだか説明できますか?

「生物の体を作るための設計図?」
大体あってますがちょっと言い過ぎな感じがありますね。

「ATGCからなる二重螺旋構造のあれ」
うん、確かに形でいうとそれです。
じゃあATGCってなんでしょう?
そもそもなんで二重螺旋構造じゃなきゃいけないんでしょうか?

自分はふだん生命科学系の研究室で主に大腸菌やら細胞をいじっています。
細胞を培養したり、タンパク質を精製したり、マウスに注射したりなどなど。
(言葉にするとちょっとかっこいいですね。…ですよね?)

そのため、DNAとかタンパク質とかそういうものばかり勉強しているのですが、
最近、ふと周りの友人に普段のノリで、DNAのこれすごくね!?!?(キラキラ)
みたいなこと言うと、は?それの何がおもしろいの?
みたいな顔をされて少し落ち込んでます。

実際、すごくおもしろいんです。

たとえば今日本国民の最大の死亡理由になっている「癌」
あれって遺伝子の異常に原因があるって知ってましたか?

その他にも鬱病なんかにも遺伝子が関係しています。

ここ数年話題となってる遺伝子の最先端の研究がキーポイントになっていたりします。

とってもおもしろそうじゃないですか?

じゃあこの面白みを分かってもらうにはどうすればいいんだろう…。
そう考え込んでいた時、ひらめいたんです。

そうだ!理系+のサイトで記事を書こう!
あそこに書けば興味のある人はきっと読んでくれるし!
たくさんの人の目に触れて少しでも色々な人に生物の面白さを伝えられるし!
べつに不定期で気ままに書いても怒られないし!
多少ふざけたこと書けそうだし!
なんていいサイトなんだろう!
と。

え、いや、ステマじゃないですよ?
ありのままの素晴らしさを伝えてるだけですよ(笑顔)

そういうわけで、

少しでも多くの人に生物のおもしろさを知ってもらおう。

というコンセプトのもと、不定期に、気ままに、書き連ねていこうと思います。

対象としているのは生物学、生命科学を専門としていない方々なので

できるだけ分かりやすく、かつ知識として残るように

をモットーにします。

だから少し曖昧の表現があったり例外があっても専門の方々は優しく目をつむっていただけれると嬉しいです。

少し前置きが長くなりましたが、

「気ままに生命科学 」開幕といきましょう!ワーパチパチパチパチ

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#1 DNAってなんだろう

a. 役割的なハナシ
b. 構造的なハナシ
c. �”DNAの配列がわかればすべてがわかる” という「神話」

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a. 役割的なハナシ

「何事も大事なのは目に見えるもんではなく、その中身である。そう人間も。」

と、どっかの偉人がきっと言ってくれてるんじゃないかなと思うのですが、
DNAも確かに構造はとても大事なのですが、その役割の方がとっても大事なんです。

第一、構造を見たところで、それでこれは何のためにあるの?なにをするの?
って疑問が浮かぶと思いますし(設計図や見知らぬ化学物質の構造式を思い浮かべてください)、
役割を知ってないとすぐ忘れてしまうでしょう。
だからまずDNAの役割から話していきます。

冒頭でも書きましたが、DNAの役割は体の設計図でしょうか?
間違ってはいないのですが、もう少し具体的にしましょう。

DNAは「タンパク質の設計図」です。

といってもこれだけだとたぶん、だからなに?感がすごいと思います。

人間の体が何でできているかはご存知でしょうか?
人間の体というのは

1. 脂質
2. 糖質
3. 核酸
4. タンパク質
5. そのほか無機物質など(炭酸イオンとかカルシウムイオンとか)

これらの物質から成ります。あと水とか。

脂質というのはその名の通り、脂肪ですね。僕らの体をぶよぶよにしやがるアイツです。
でもそのほかに細胞を包む膜なんかにもあって意外と重要な物質なんですよね。
憎めないやつですよ。

糖質というのは、たとえば砂糖はもちろん、よくいう炭水化物とかっていうあれも糖質を含んでいます。
糖質の大事なところは”この糖質から体の中の主なエネルギー源を作られている”ということです。
この糖質が体の中で分解されて、色んな化学反応が起きて、体の中のエネルギー源「ATP」が生み出されます。
ATPと言うのはある化合物の頭文字をとったものなのですが、長いし、べつに覚えなくても死にはしないので割愛しますが、
ようは車でいうガソリンみたいなものです。こいつがなかったらあらゆる細胞の内の物質が働きません。

核酸というのはDNAとかその類の物質です。なんで核酸というのかというとリン酸がくっついてる影響です。たぶん。

最後にきましたね、タンパク質。こいつはいったいなんなんだと。
構成的には色々なアミノ酸の集まりです。
じゃあなにに使われているのか。生物の機能的なもの大半です笑

たとえば、皮膚、爪、髪、臓器、赤血球、神経、ぜーんぶでタンパク質は大事な役割を担っています
タンパク質ってその時の状態とか相手によって形を変えることができるほぼ唯一の物質なんです。
(正確には触媒作用です。生体内の触媒作用をする物質はほとんどがタンパク質、あとはRNAです。)
だから細胞レベルでの機能的な働きを一手に担っちゃうすごいやつなんですよ。

そんなわけでそれの設計図であるDNAがとても大事なんです。
もしDNAが壊れると、細胞はタンパク質を作れなくなちゃうので、
酸素を運べない赤血球ができたり、胃は食べ物を消化できなくなるし(消化酵素というのはまさにタンパク質そのものです)、
ありとあらゆることができなくなります。

人間の体の中の細胞はDNAという設計図のもと、色々な機能を持ったタンパク質を作っているのです。

さて、ここで疑問に思うことがありませんか?
体は、脂質、糖質、核酸、タンパク質、無機物質などから成るんでしたね。
では、タンパク質以外の物質はどこから来てるのでしょうか?
その他にもタンパク質はアミノ酸でできていると言いましたね。
けれども全てのアミノ酸が体のなかで作れるわけではありません。
作れないアミノ酸はどこから来るのでしょうか?

答えはもちろん「食事」です。

食べ物を分解して、そこから脂質や糖質、核酸、アミノ酸などを作っています。
(ちなみにその作業をしているのがタンパク質でもあります)

だから食事というはエネルギーを得るだけでなく、体の中で生み出せない物質を手に入れるという意味でとても大事なんです。
そう考えるとムリにダイエットするというのは体に相当のストレスを与えている可能性があるということもわかると思います。

少し話が逸れましたがDNAの役割がわかったところで次に構造的なハナシにいってみましょう。

 

b. 構造的なハナシ

DNA

綺麗な画像ですね。DNAでググると色んな画像がでてくるのですがどれも綺麗でどれを使うおうか迷っちゃいました。

さて、DNAの構造ですが、DNAは上左側のような二重螺旋構造になっています。
2つの鎖の間を橋がかかっていますね?
この部分は水素結合という結合でつながっていて、その部分を拡大したのが右側の絵の蛍光色の部分です。

DNAはA(アデニン), T(チミン), G(グアニン), C(シトシン)のそれぞれ(これらをヌクレオシドという)がリボース(右の絵のOが入った五角形)と
リン酸を結合した「ヌクレオチド」というユニットから成っています。

上の図だと全部結合していて見にくいかもしれませんが、リン酸イオン(PO4)とリボース(五角形)を切ってやると、
それがヌクレオシドです。

ATGCはそれぞれ、AとT、GとCで結合するようになっていて、例えばAとGというのは結合しません。
これはATGCの構造からくる化学的構造(ちゃんというと量子物理学的)特性からくるものです。

このあたりまではなんとなくご存知な方が多いのではないでしょうか。

では、DNAが二重鎖だとどんないいことがあるのでしょうか?

これはいくつかあると思うのですが、ぱっと見て、2つはあります。

1. 化学的安定性が増す。
2. DNAの複製が半保存的に行えるようになる。

1.化学的安定性について

さきほどいった通り、AとT、GとCはとても結合しやすいです。
そのため1本だと折れ曲がって、どこかのAとTがくっついて、どこかのGとCがくっついて、
グニャグニャに絡まった形になってしまします。

DNAがはタンパク質を作るときにその配列を読み取らなくてはいけないのに絡まっていいたら、
いちいちそれを解いて読み取らなくてはいけません。
そのためにも予め2本にしておいて真っ直ぐな形にしておくあります。

2.DNAの複製が半保存的に行えるようになる。

細胞が分裂するとき、DNAも2つなくてはいけません。
そのため細胞が分裂する前にDNAは複製されます。

その複製の仕方というのは、例えば下図のようにDNAがあるとしますね。

AAAAATGTTGCCGGTTTAACT
TTTTTACAACGGCCAAATTGA

まずこれを分離します(局所的に)

AAAAATGTTGCCGGTTTAACT

TTTTTACAACGGCCAAATTGA

そうしたら上の鎖は左から、下の鎖は右から新しいヌクレオシドがくっついていきます。

AAAAATGTTGCCGGTTTAACT
TTTTT
� � � � � � � � � � � � � � � ��TAACT
TTTTTACAACGGCCAAATTGA

出来上がったの2重鎖は片方は複製前の、もう片方は複製時にできた鎖になります。
このため複製前後で半分保存されている「半保存的」複製になるわけです。

もしDNAが1本鎖で上のように複製していくとどうなると思いますか?

答えは「まったく配列の違う鎖が2つできます

ようは上の図の下半分だけを見ればいいのです。

AAAAATGTTGCCGGTTTAACT
TTTTTACAACGGCCAAATTGA

上と下の鎖はまったく違いますね?
このような複製が行えるようにDNAは2重鎖である必要があるのです。

さらに付け加えるとこのような鋳型を元に新たな鎖を作るという複製法がなぜ行われているかというと、
間違えた時チェックができるという点があります。
AとT、CとGしか結合できないので、間違えたら結合できず、そこでチェックが入って正しいものを選ぶということができます。

 

 

さてここまでが前座でおもしろうなるのはここからなのですが、�すこし長くなってきましたね。

というわけで最後の『c. �”DNAの配列がわかればすべてがわかる” という「神話」』はまた別の記事に書こうと思います。笑

ですが次のcで書くことに関して少し触れておきます。

□1人の人間のDNAは全て同じであるというがそれは本当なのか

けっこう当たり前のように考えられがちですが、しっかり考えたことはありますか?

本当に全て同じであるならばどうして体の場所によってまったく違う細胞ができているのでしょうか。

この部分を書くのは大学2,3年レベルの知識が必要なのですこし重くなるかもしれませんが、
始めに書いた『癌』や『iPS』とつながりが強いおもしろい部分なのでぜひ楽しみに待っていただければと思います。

 

ふみお

ハードルは高ければ高いほどくぐりやすい。 ウイルス研究

@eff_air_6

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