日本お笑い数学協会が主催する数学イベント「数学教師が語る!授業に役立つ話」に理系女子大生が潜入取材してきた!

2016-12-26

ranran

みなさん、昨年のクリスマスはどう過ごされましたか?…イルミネーション?ホテルディナー?ディズニーランド???


「あああー!!!クリスマスデートを楽しんでいるカップルには、トリニトロトルエンかけたい。まじでクリスマス暇なんだけどー!!!!」と嘆いている私に、数学のお兄さんの横山明日希さんが手を差し伸べてくれました。

横山明日希さん「クリスマス、よかったらうちの数学イベントの取材きませんか?」

ranran「お願いします!!!!!!!!!」


申し遅れましたが、私は工学部女子大生ライターのranranです。ちなみに、大学での専攻は暗号理論で整数論や代数幾何、離散数学などをよく使っています。だから、英語・数学・国語・理科・社会の5教科で言えば、ばっちりゴリゴリの数学専攻です。

…数学あんまり得意じゃないんですけどね。(小声)

そんな感じで、今回、日本お笑い数学協会主催の数学イベント「数学教師が語る!授業に役立つ話」に伺わせていただきました。


日本お笑い数学協会とは?

まず、今回のイベントを主催している日本お笑い数学協会ってなんなんでしょうか?

日本お笑い数学協会は、数学の面白さを伝えるイベント開催や動画配信、出張授業などを行なっている団体です。現役の高校教員でありながら、お笑い芸人として活動をしているタカタ先生を始めとし、予備校講師の秋田崇宏先生、元国税局職員でお笑い芸人さんきゅう倉田さん、受験戦略家で家庭教師の平井基之先生、数学のお兄さんとして理系企画などをプロデュースしている横山明日希さんというメンバーで構成されています。

数学教師が語る!授業に役立つ話

今回のイベントは、「授業に役立つ話」というテーマのもと、数学×お笑いライブが半分、導入授業の実演が半分という内容です。特に学校の先生など教育関係者の方々に大人気で、なんと今回も参加者の8割が教育関係者だそうです!以前より、数学×お笑いという視点でのネタやお話がすごーく授業に役立つ!!!と話題で、今回は参加者からのリクエストに応えて授業の実演も行うことになったそうです。

そんなことを聞いた私は、「…えー、学校の先生ばっかりなのか。これはお笑いとか言いながら、小難しいお話されるんじゃないかな?」と思いながらもイベントに挑みました。


最初に始まったコーナーは、日本お笑い数学協会のメンバーのそれぞれのお笑いネタです。

 

数学×お笑いネタ


まずは、タカタ先生。



数式の語呂合わせのネタを披露してくれました。

写真は、某元県議会議員さんをネタにした数式で『5+47.0+0+7=59』となるのですが、どんな語呂合わせになっていると思いますか?ぜひ、考えてみてください!

 

続いて、秋田先生と数学のお兄さんのコラボネタ。数学のお兄さん

 

数学的な理想の結婚式は、座席はフィナボッチ数列で…?余興はサラリーマンによるリーマン予想の証明…?!ブーケトスは、y=sinX…?!

 

次は、さんきゅう倉田さん。



「好きな言葉は、増税です!」とネタをはじめる、さんきゅう倉田さん。「そんなんどうでもいいわ!」と言いたくなってしまうような国税局職員の採用試験の問題を紹介してくれました。

 

そして、平井基之先生。

 

東大に文理両方で合格している平井先生は、数学で使うアルファベット等を漢字で表現することゴリ推ししていました。

 

最後は、5人全員によるコント。


MATHレンジャー。

 

試験でも、まず始めにXを定義しなくてはならないように、MATHレンジャーを名乗る練習をしよう!という話に。

 

でも、どうせなら赤、青、緑、黄…という色はやめて、MATHレンジャーらしく数学に関係したものがいいということで…

 

 

 

タカタ先生「MATHレンジャー・X軸!」

 

さんきゅう倉田さん「MATHレンジャー・Y軸!」

 

平井先生「MATHレンジャー・Z軸!」

 

数学のお兄さん「MATHレンジャー・原点!」

 

 

「「4人揃って…!!!!」」

 

 

秋田先生「ちょっと待て!!!!!俺は!!!!」

 

こんな感じでいろいろ試してはみるものの、5つ以上種類がある数学関連のものがなかなか見つからず…

 

仲間はずれ気味になってしまう秋田先生。

 

そんな中、円周率なら5種類以上あるじゃん!という提案が出ました。


 

タカタ先生「MATHレンジャー・3.(点)!」



さんきゅう倉田さん「MATHレンジャー・14!」



平井先生「MATHレンジャー・15!」


 

 

数学のお兄さん「MATHレンジャー・92653589793238462643383279502884…


 

 

秋田先生「………1?」

 

「「おおおーーーーー!!!」」

 

と、無事名乗ることに成功するも…。


 

最後のXをイメージした決めポーズも、秋田先生は知らされていなかったようです。秋田先生可哀想…。(涙)


 

秋田先生「俺は、係数の1なのか?1だったら消えちゃうじゃないか!!!!!」


数学大喜利


続いて、始まったのは、数学大喜利。 




『数学検定56級の問題を教えてください』というお題が出されました。


  

秋田先生「Q1 数学は好き?」


 

なるほど、56級にもなるとそこから質問されるんですね。この場合、一応みんな「好き!」と答えるのでしょうか?いや、好きでも嫌いでも正解になるんですかね!


 

数学のお兄さん「0より大きい数を答えよ」


 

これは、どれでもいいんですかね。逆に迷っちゃいそうではありますが、素直に問題を受け取れるかどうかが重要かもです。

 

他にも、『年末恒例の歌番組「数学歌合戦」。誰がどんな曲を歌ってる?』『あのサンタクロース絶対数学好きだよ!そう思った理由とは?』というお題が出題され、次々と面白い回答が出ていました。


導入授業の実演

ここからは、少しだけ真面目に実際に役立つような単元の導入授業の実演をそれぞれが行なっていきました。


 

タカタ先生は、対数とそれを考案したネイピアさんのお話をしてくれました。ネイピアさんは、プロの数学者ではなく、趣味に近い形で対数表を作っていたんだそうです。確かに、数学の概念が生まれた背景を知ることができると、自然と興味が湧く!!と思いました。


 


秋田先生は、”Why? So what?” をキーワードに、勉強の思考スキルの中で「分析する」というステップの重要性についてお話ししてくれました。秋田先生は授業で宿題を出したときに、「○」か「×」しかつけずに返すそうです。そして、なぜその答えになるのか、なぜ間違えたのか、ということを生徒自身に考えさせるのだそうです。


 

 

数学のお兄さんは、論証についての話。生徒がどんなところでつまずくのか、どんなところを勘違いしやすいのかというポイントについてもお話ししてくれました。「=」のことを「は」と読むことで、日本語の助詞の「は」の意味と混乱しがちなるというのは、なるほどー!と思いました。


 

 

最後に、平井先生は「1ってなに?0ってなに?」というお話。ちなみに、有名進学校に入学したばかりの生徒たちが受ける授業でこの話題をよく話すそうです。そうすると、保護者に面白い先生がいる!という好印象を与えられるとのこと。(笑)


ゲストコーナー

 

この日の前日に行われた大人気の数学イベント「ロマンティック数学ナイト」でも登壇していた日曜数学会を主催しているキグロさん(@kiguro_masanao)と数学ブロガーの鯵坂もっちょさん(@motcho_tw)2人がゲストとしてきてくれていました。


 

 

まずは、キグロさんが月の光が当たっている部分の面積の求め方についてお話ししてくれました。こんな風に、自分で問題を考えて解くことが趣味なんだそうです。この問題が解けたからといって、なにかがあるわけではなく、ただただ楽しいからしているとのこと。


 

もっちょさんがお話ししてくれたのは、パドヴァン数列について。一辺が1の正三角形をこのように並べていくと、1,1,1,2,2,3,4,5,7,9,12.…というパドヴァン数列が出てくるという。フィナボッチ数列は有名ですが、パドヴァン数列って知名度がすごく低いです。私も聞いたことありませんでした。さらに、変拍子からもこのパドヴァン数列を作ることができることも話してくれました。なにそれ?きになる!という方は、もっちょさんのブログの『フィナボッチ的らせん三角形と変拍子について(パドヴァン数列の話)』を読んでみてください!


小ネタコーナー


スクリーンに映し出した話題の中から気になるものを話してもらうという小ネタコーナー。



まず、選ばれた話題は「フシギダネの誕生日」。


 

もっちょさんがお話ししてくれました。ポケモン図鑑番号1番のフシギダネが誕生した日時を最初にポケモンのゲームが発売された年月日から最小二乗法で求めるというものです。

詳しくは、もっちょさんのブログ「アジマティクス」の『フシギダネの誕生日を最小二乗法で求める』に載っているので、ぜひ読んでみてください。

 

数学のお兄さんの「パラドックス」という話題では、実際に誕生日のパラドックスに挑戦してみました。


 

誕生日のパラドックスとは、「何人集まれば、その中に誕生日が同じ人がいる確率が、50%を超えるか?」という問題から生じるパラドックスです。論理的には、23人以上が集まれば確率が50%を越えるのですが、直感的な「え?本当にそんなに少なくていいの?!」という感覚に反するというパラドックスです。

 

今回は30名ほどいたので、同じ誕生日のペアが見つかる可能性は70%ほど!!!とちょっと期待しましたが、残念ながら見つかりませんでした。

 

他にも、「お笑い数学教師」、「PPAP」、「もしも円周率が3だったら」などなど面白い話題ばかりでとても盛り上がりました。


イベントを終えて…


数学に対して、少し苦手意識のある私は、全然わかんない話をされたらどうしよう…と少々不安になりながらイベントに参加させてもらいました。しかし、始まってみると、ものすごく面白かったです。参加者の皆さんからもすごく大きな笑い声が聞こえてきて、かなり驚きました。理系とか数学が好きな人だったら、99.998%どハマりするような内容だと思いました。きっと数学にあまり関心がない人でも、「数学って面白そう…!?」と感じられる内容です。

他の参加者や日本お笑い数学協会のメンバー、ゲストの2人も感想を聞いてみました。


参加者の感想




高校の数学教師Xさん

「数学と笑いという組み合わせはすごくいいと思います。今回でイベントに参加するのは3回目ですが、授業にも取り入れることのできる内容で非常に役立つし、数学を教えている者同士が交流する機会にもなるので毎回楽しみにしています。授業に役立つとは言いましたが、仕事とは関係なく、単純に思いっきり笑えるので私自身のリフレッシュにもなっています。理系ではない人や数学にあまり関心がない人でも楽しめる素敵なイベントだと思います。」

 

高校の数学教師Yさん

「授業ではもちろんですが、実生活の中でも笑いというのはとても大事な要素だと思っています。このイベントでは、授業に活かせるネタを吸収することもできるし、お互いに共有することもできるし、さらに自分自身のことを振り返ることもできます。私自身も高校2年生の時に出会った数学の先生がきっかけで数学の魅力に気づいたので、私も生徒たちにそんな機会を作りたいと考えています。本当に授業に役立つ話ばかりで充実しているイベントでした。」



日本お笑い数学協会のメンバーとゲストからの感想

 


タカタ先生

お笑い芸人と高校の数学教師の二足のワラジを履く男、お笑い数学教師タカタ先生です!参加者の方々の向学心に頭が下がります。そんな方々にネタや授業を披露させて頂いて、もっと良いネタ・もっと良い授業をやらねばと、めちゃくちゃ刺激を頂きました。


秋田先生

「岡山県出身、東京都在住の秋田です。覚え方は3の階乗通りあるので、どれでもいいので覚えてください。今回は、日本お笑い数学協会の5人+ゲストの2人にも来ていただいて、非常にバラエティに富んだイベントになったと思います。この調子で今後も日本お笑い数学協会を大きくしていって、数学嫌いな子を数学好きにしていきたいと思います。」

 

倉田さん

「元国税局職員の倉田です。一度でいいから見てみたい女房の脱税隠すとこ。このイベントは営利を目的としていないので、これをきっかけにお仕事やイベントなどに呼んでいただけると幸いです!」

 

数学のお兄さん

「数学のお兄さんの横山明日希です。今回は、楽しいイベントを開催できてとても満足しています。『素数』と『素敵』という言葉は似ている訳ですが、2017年は、素数な、いや素敵な、いや素数な年にしたいと思っています。どうぞみなさん、素数な一年にしましょう。まだ、イベントに参加したことがないという方も、ぜひイベントにお越しください。」

 

平井先生

「東大文理両方に合格した男、受験戦略家の平井です。今回、私は、数学を漢字でやったらどうなるかという国語と数学のコラボをしてみたわけですが、数学とお笑いのコラボ、数学と歴史のコラボなどこれからも色んなことにチャレンジしていこうと思います。回を重ねるごとに、我々も、お客さんの笑いの量も増えていって、レベルアップしているので、ぜひ期待していただきたいです。」


もっちょさん

「ブロガーなのに、無駄にいい声。鯵坂もっちょです。普段は、趣味数学の界隈にいるのですが、教育数学の界隈にはこれまで関わりがあまりなかったので、今回とてもいい経験をさせていただきました。今回はお誘いいただき、ありがとうございました。」

 

キグロさん

「日曜数学会のキグロです。普段は趣味で数学をする人たちの支援などをしていて、学校教育系にはあまり手を出したことがなかったのですが、今回は数学を教える人たちもちゃんと数学を楽しんでいるということが分かった良い機会となりました。ありがとうございます。」 



「日本お笑い数学協会ってなに?!」って気になった方、「イベントにぜひ参加してみたい!」と思った方は、ぜひ、日本お笑い数学協会のHPをチェックしてください。


 

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